レフティとして最も有名なフィル・ミケルソン(写真/gettyimages)
レフティとして最も有名なフィル・ミケルソン(写真/gettyimages)

 プライベートな話で恐縮だが、近くレフティの女性ゴルファーとゴルフをすることになった。仕事のつながりでその女性とラウンドするわけだが、最初に「彼女、レフティなんですよ」と聞いた時は、レフティというだけでも珍しいのに、女性ゴルファーの左利きなんて「激レア!」と驚き、今からラウンドが楽しみでならない。

 みなさんの周囲を考えていただければお分かりの通り、世の中は右利きが一般的だろう。全米プロゴルフ協会が過去に掲載した記事によれば、世界人口の10%が左利きで、PGAツアーのレフティ率は約5%なのだとか。上記でご紹介した女性は、ゴルフ人口の少数であるレディースであることに加えてレフティなのだから、ゴルファーとしては圧倒的なマイノリティということになる。

 ゴルファーにレフティが少ない理由は諸説ある。一つは、日常は左利きだが、ゴルフは右打ちにしたゴルファーが相当いるからというもの。ゴルフクラブの多くは右利き用にラインナップされたものばかりでレフティの選択肢が少ないということが、左打ちから右打ちに移行した要因になっているらしい。

 またレフティのアマチュアゴルファーなら経験済みだと思うが、練習場の打席数が少なく、しかもその打席は両端にしかないことが多い。こうした肩身の狭い思いも、左打ちが右打ちになっている原因になっている可能性もある。

 実は名選手の中には上記のような「左利き右打ち」が相当数いる。古くはベン・ホーガン(米)。ジャック・ニクラウス(米)やトム・ワトソン(米)もそうだし、現役ならジョーダン・スピース(米)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)も左利きだし、日本では米ツアーで通算17勝した岡本綾子が、あえて右打ちにしたゴルファーとして有名だ。

 本来、左利きだった人があえて右打ちにするくらいなのだから、ゴルフにおけるレフティが日常で見かける左利きの方よりも少なく感じるのは当然。PGAツアーのレフティ率が約5%というのもうなずける話だ。

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日本のレフティの第一人者は?