■ 半数以上の保護者が見過ごしている可能性

 1回目のアンケート結果によれば、子どものストレス反応に気がついたと回答した保護者(保護者が自分の子どもの様子についての質問で、すぐにイライラするなど何らかのストレス反応が一カ月以上続いていると回答した割合)は全体の24%。2回目のアンケート結果でも同様の傾向がみられました。一方、子ども自身は7割の子がストレス反応を感じていたわけですから、子どもと保護者間に大きな認識の開きがありました。子どもと保護者では質問項目がちがうなど単純比較はできませんが、半数以上の保護者が子どものストレス反応を見すごしてしまった可能性があります。

 実は、いっしょに生活する子どものストレスに親が気づかないというのは、コロナ禍でなくても、往々にして起きることです。例えば不登校の場合です。そこで、これまで私が取材したケースから「親でも見落としがちな3つのケース」を挙げたいと思います。

(1)子どもの不眠をスマホ依存だと思ってしまう

 いじめなどがあり学校へ行くことが不安な子は、夜、なかなか眠れません。私が聞いたなかでは「明日こそは『いじられないように』と会話のパターンを想定していたら朝になってしまった」という子や、「明日も学校だと思ったら眠れなかった」という子もいました。そのときに子どもの助けになるのが、スマホ、ゲーム、アニメなどです。人は悩みや不安にずっと耐えてはいられません。なにか気を紛らわせるものを探します。夜、不安で眠れずに、スマホなどに手を伸ばす子が多いのです。

 学校でのつらい状況や不眠に苦しんで子どもはスマホをいじっているのですが、親からすれば「スマホをしていたから眠れなかった」と思うわけです。

 アンケートでは「寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりする」と答えた子どもは24%。およそ4人に1人に不眠傾向が出ていました。夜中にスマホをしている子どもを見て「依存している」と思うかしれませんが、それはコロナストレスかもしれないのです。

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親自身も苦しんでいる