(8)放射能シェルターを自宅につくりたい
自宅用核シェルターは、放射能の脅威にどれほど有効なのだろうか。放射性ヨウ素は、半減期が8日と短い。そのため核シェルターは、2週間程度生活できるようにつくられているという。
日本でも建築は可能だが、地下に建設すると坪単価はおよそ160万~250万円程度と、かなり高額。織部精機製作所のテント式シェルターは室内に設置でき、価格は82万4千円だ。
今後の原発事故を想定するならば、核シェルターは一考する価値がある。
(9)オール電化住宅は、災害に弱いのか?
オール電化住宅のメリットはおもに、火災の危険性が低く、夜間電力の使用で光熱費を抑えることが可能な点だ。デメリットは、停電時すべての熱源機器が使用不能になる、などだろう。
震災を考慮しなければ、年間10万円ほどの光熱費カットが期待できる。国からの補助金を使うと導入コストは200万円程度であるため、20年で元が取れると思えば悪くないように思えるが、節電が必須な今夏は、不自由な生活をせまられるかもしれない。
(10)東京湾を大津波が襲う可能性はあるのか?
内閣府中央防災会議の想定では、東京湾直下地震で「50センチ未満」、東海地震で「1メートル未満」の津波しか東京湾では発生しないという。
東京湾は間口が狭い袋型で、外洋からの津波の影響を受けにくく、東京の臨海部には外郭防潮堤や内部護岸も整備されている。しかし、防災システム研究所の山村武彦所長は、
「津波が50センチというのは、狭義な被害想定です。大島のほうから入射角があると、東京湾に真っ向から津波が入ってくる」
と警鐘を鳴らす。今回の大震災でわかるとおり、可能性がゼロでない限りは「ある」と思っておいたほうがいいだろう。
大震災はいつ、どこで起きてもおかしくはない。被災地の復興をすすめながらも、東日本大震災を対岸の火事とせず「次」に備える必要があるだろう。詳しくは「原発・大震災サバイバルブック」で確認していただきたい。 (構成 本誌・酒井寛史)
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