アベノミクスによって株価は上がったが、株価なんて実体経済を反映していないから、いくらやっても意味がない。株価で利益を得た連中なんて限られている。地方はいま冷え切っているんです。コロナ禍であろうと、こういう状況を放置せず、手を打つべきだった。
結果的には、大企業が株価を上げてもらって喜んだ、という経済運営に終わり、広く国民に寄り添った経済政策ができなかったのは残念です。
これからは自民党と公明党だけの連立政権では続かない。共産党を含め、野党に優れた人材がたくさんいる。そういう優秀な人たちを集めて、挙国一致が必要なんだ。国全体がまとまって、アメリカや中国と対峙(たいじ)していかないといけない。
晋三はいい人間です。人柄もいい。でも、やれたのに仕切れなかった面もある。彼自身、不完全燃焼で残念な思いだろう。(談)
(本誌・吉崎洋夫)
※週刊朝日 2020年9月11日号