チャンバラ、侍、子育てを語り申す

大奥」「桜田門外ノ変」「武士の家計簿」など、今年後半は時代劇映画の公開が相次いでいる。なかでも「十三人の刺客」(三池崇史監督、9月25日公開)は、ベネチア国際映画祭にも出品され、ラスト50分間の壮絶な戦闘シーンなど話題満載の作品。主演の役所広司(54)と、敵役を演じた市村正親(61)が俳優人生から子育てまで真剣勝負で語り合った。

--初共演だそうですが、お互いの印象は?

役所広司:僕は俳優になりたてのころから市村さんの舞台を拝見していて、市村さんといえば舞台に出てくるだけで客が沸く、それこそ「ジュリー!」みたいな存在(笑い)。でも舞台と映画でずっとフィールドが違いましたから、今回ご一緒できて本当にうれしかったです。

市村正親:最初にお会いしたのは僕が33歳で役所さんが27歳くらいのときかな。歩道の向こうから役所さんが歩いてきて、すれちがってすぐ「ああ『無名塾』の役所さんだ」ってわかった。でもそのときは立ち話もほとんどしないで、「あ、こんにちは」くらいな感じ。

役所:そうでした。

市村:その後、共通の知り合いを通じて紹介してもらったんだけど、それ以降は仕事でもプライベートでもホントに会う機会がなくてね。

役所:奥様(女優の篠原涼子さん)を通じて「よろしくお伝えください」なんてご挨拶はしていましたが。

次のページ