「愛の不時着」のヒョンビンや「梨泰院クラス」のパク・ソジュンなど、韓流ドラマブームとともに日本でも人気を博すイケメン俳優。30歳以下の若手俳優の注目株は? ライター・酒井美絵子氏がリサーチした。
2007年に「コーヒープリンス1号店」がヒットしたのをきっかけに、「トキメキ☆成均館(ソンギュンガン)スキャンダル」や「美男<イケメン>ですね」など“男装女子”を題材にしたドラマが人気を集め、定番化。そんな中、新たに誕生したのが、“女装男子”を主人公としたドラマ「ノクドゥ伝~花に降る月明り~」だ。
「これまで敵から逃げるためや、捜査で潜入するときに女装するというドラマはありましたが、“女装男子”を前面に押し出してくるドラマはなかったのでは」(「韓国TVドラマガイド」編集チーフ・高橋尚子さん)
「ノクドゥ伝」は、孤島に住む平凡な青年ノクドゥが、ある出来事の理由を探るため、島を出て“未亡人”のふりをして男子禁制の寡婦村に潜入するところから始まるラブコメディー。今作で優美な女装姿を披露しているのが、デビュー4年で28歳のチャン・ドンユン。役作りのため体脂肪率を3%に落とし挑んだ女装姿のたおやかさには、ヒロイン役のキム・ソヒョンが「私よりキレイ」と大絶賛したほど。
「かつて映画『王の男』でイ・ジュンギが女装姿をみせ、ブレークしました。チャン・ドンユンの女装姿は、『王~』と同じ伝統服を着ていたこともあり、その時のような感動を覚えました。女装姿で恋のライバルを邪魔したり、外見は女性なのにやっていることは“ツンデレ男子”そのものだったりするところも、かわいさ100倍増でした」(高橋チーフ)
16年にデビュー4カ月で、日本の人気小説を原作とするドラマ「ソロモンの偽証」の主人公に抜擢。その後、出演したほとんどの作品で主役を張る。プライベートでも、韓国の超名門大学・漢陽大学の経済金融学部で金融を学ぶエリートだ。スカウトをきっかけに芸能界入り。このスカウトまでのストーリーがおもしろい。ある日、コンビニ強盗の逮捕に貢献したチャン・ドンユンをあるニュース番組が直撃し、その時の様子を独占インタビューした。その映像がインターネット上で「コンビニ強盗を捕まえた漢陽のイケメン大学生」と広まり、うわさを聞きつけた今の事務所のスタッフから声がかかったという。高橋チーフいわく、「魅力はみずみずしい感性と力強さ」。作品ごとに全く違った印象を与えるカメレオンタイプだ。
「今作でラブコメセンスを発揮していたので、今後もラブコメジャンルにどんどん挑戦してほしいです」(高橋チーフ)