林:ぜひと言いたいけど、このごろ私はおばさんが主役の小説が多いんで、趣里さんじゃちょっと若すぎるかもしれない。
趣里:いえ、主役でなくて大丈夫です。突然怒鳴る役でも(笑)。
林:こういう女優さん好きだな、という人はいらっしゃる?
趣里:憧れの人ですか? 海外の方が多いのですが、日本の女優さんでしたら、業界の中でいちばん仲良くさせていただいている濱田マリさんや、舞台でご一緒したこともある秋山菜津子さんです。すごくカッコいいんですよ。カッコいい女性に憧れますね。私、けっこうナヨナヨしていて、心配性で、「大丈夫かな」って思うタイプなんです。
林:そうなの? 一人でどんどん自分の道を切り開いて、自分を強く持ってる人という感じがするけど。
趣里:いえ、それが心配性で「ダメだ」「もうダメかも」っていつも思ってます。男っぽいところもあると言われたりもするんですけど、「弱いな」って自分で思います。「私は大丈夫なんだろうか」みたいな。
林:なんで、なんで?
趣里:バレエを4歳から17歳ぐらいまでやっていたのが、ケガをきっかけに、役者の世界に来たという経験があるからかもしれないです。「明日何が起きるかわかんないぞ」と思って毎日生きてます。
林:この若さと才能があったら、大地震でもない限りは何も起こらないですよ。起こるとすればスキャンダルかな。妻子ある人を好きにならない限りは大丈夫ですよ(笑)。独身の人とつき合ってる分には。
趣里:恋愛はぜんぜん事務所から禁止もされてないです(笑)。
林:だからどーんと構えていて大丈夫ですよ。今、楽しみって何ですか。
趣里:楽しみかぁ……。もともとインドア派で、「旅行に行くぞ」とか「どこどこに行こう」みたいなのはなくて、休みの日も映画館で2本連続で映画を見たりするぐらいが最大の外出みたいな感じです。お友達とごはんに行ったりとかも、たまにはしますけど、今の楽しみはお仕事になっちゃってて、それもたぶんクヨクヨの原因だと思います。海外の映画祭で出会った日本の若手の監督と「こういうのやりたいですね」という話をZoomで話したり、ネットフリックスを見たり、そんな感じで過ごしてます。