また、新駅舎の出入り口付近に設置されたポストのカラーリングは、従来の赤ではなく、クモユニ74012(郵便車と荷物車の合造車)を再現し、レールファンには遊び心、地元で郵便車をリアルタイムで見た人々に懐かしさを醸し出す。
■鉄道路線から決まった郵便番号
郵便番号が制定されたのは、1968年。当時は最大5ケタだった(1998年からオール7ケタに変更)。実は郵便番号にも鉄道が絡んでいる。
郵便番号は上2ケタを都道府県に区分することになり、郵便物の数が多い東京都を10~20に充てた。以降、鉄道郵便車の配送ルートを考慮し、東京都以外の関東地方と甲信越地方を21~40、東海地方を41~51、関西地方を52~67、中国地方を68~75、四国地方を76~79、九州地方を80~89、沖縄県を90に設定した。
特に長野県は、信越本線沿線(現在、長野県内の信越本線は、篠ノ井~長野を除き、しなの鉄道に転換)の市町村は38、中央本線沿線の市町村は39にすることで、隣の山梨県を40に充てた。
その一方、大阪から日本海側に針路をとるようなかたちで、北陸地方を91~93、新潟県を94・95、東北地方を96~99、01~03、北海道を04~09・00に設定した。
素人目には、上2ケタの00から始まり、99で終わるように見えるが、実は10から始まり、09の最後は00で終わるのである。
ちなみに、通帳に印字される局番号(5ケタ)の上2ケタは、東京都の00・01から始まり、東京都以外の関東地方を02~09、甲信越地方を11・12、東海地方(関西地方に属する三重県も含まれる)を20~24、北陸地方を31~33、関西地方(三重県を除く)を40~47、中国地方を51~55、四国地方を61~64、沖縄県を70、九州地方を71~79(ただし、75は欠番)、東北地方を81~86、北海道を90~99に設定。こちらも郵便番号と異なる部分はあるものの、東京都から始まり、北海道で終わるのである。(文・岸田法眼)
岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある。旅や鉄道などを中心に執筆を続けるほか、好角家でもある。