木村:あぁ、つい大人目線で見ちゃうんですよね。あるとき、建築のプロジェクトの子たちが屋根に雨どいをつけたんですけど、傾けていないから水が流れない。そのくらい先生が教えればいいのにって思うんだけれど、でもあえて失敗させる。

高濱:すばらしいね、先生たち。

木村 失敗すると、みんなめちゃくちゃ考えるんです。それこそが「探求」。探求心は、大人が信じて待つ間に身につくものなんですよね。「子どもを信じる」という点において、自分がいかに浅はかだったかを実感しました。

高濱:親は子どもの間違いや失敗を恐れるから「転ばぬ先の杖」を出したくなる。でも、子ども時代に小さい傷をいっぱい作った子は、大人になったとき痛みに強くなるのです。いい経験も悪い経験もたくさんさせようとする、木村さんのような親が現れたことに新しい時代を感じます。

■「知らない」と言える子が本当に伸びる

高濱:木村さんが働く会社(ガイアックス)も、自由で新しい感覚の会社だよね。

木村:一時期、会社勤めしたまま家族で2カ月間沖縄に移住したんです。仕事はリモートワークでした。

高濱:すごい、時代の先取りだ。そんな会社もある中で、いまだに「大企業や総合商社でなくちゃ!」みたいな親はまだ多いんだよね。

木村:うちの子が通う学校を見学して「子どもが幸せそう!」と感動した人でも、「やっぱり学力も進学先の選択肢も大事」と思ってしまうんです。でも実際には卒業生の多くは一般の高校でも成績優秀だし、海外の大学を首席で卒業した子もいるんです。

高濱:なぜそんなに優秀なの?

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