脚本監督・三谷幸喜、主演・香取慎吾――。Amazon Originalドラマシリーズ「誰かが、見ている」で久々にタッグを組む二人に話を聞いた。
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──香取さん演じる舎人(とねり)君は、STAY HOMEの達人、申し子。自宅を中心にいろいろな場所で、次々に面白いことをしでかします。
三谷:申し子……言われて気が付いた……そういえばそうですね……。これまでの香取さんは、皆に振り回される役が多かったので、逆が見てみたいなと。もう一つは、香取さんのコメディアンとしての引き出しをもっと見たいという思いがあって。歯を磨いて、朝食を食べてという当たり前のことを香取さんが演じると可笑(おか)しくてしょうがない、生きているだけで面白い香取さんを見てみたいと。
香取:三谷さんの作品の中では振り回される役がとても多かったので、台本を読んだときは難しかったです。最初は相談しながら演じていました。
──香取さんと舎人君は、共通点があるんでしょうか。
香取:こだわりがあるというか、趣味や好きなことに対して手を抜かないのは似ていますね。テレビでCMが流れたら、その歌を一緒に歌っちゃうところも。
──お二人は、STAY HOME中、何をされていましたか?
三谷:僕は元々執筆で家にいることが多いんで。でも息子と一緒にいる時間が長くなりましたね。レゴにレゴニンジャゴーっていうシリーズがあって、それを一緒に作りました。
香取:僕も元々インドアで絵を描いたりするので、いつもは退屈しないんですけど、それにしても時間が余った。家にあるものを整理しました。それでも時間がまだあったので、本の上の凹んだところにある埃を払うってとこまでやりました(笑)。そういえば、「記憶にございません!」(三谷監督、2019年公開映画)を見ましたよ。
三谷:なんで去年見ないっ。
香取:やっと見られたんですよ。面白かったです(笑)。
(本誌・工藤早春)
※週刊朝日 2020年9月25日号