

新型コロナウイルスの流行以降、投資信託を買う人が激増している。特に人気なのは、米国のアマゾン、アップル、グーグル(アルファベット)などの株式が多く組み入れられた「米国株式ファンド」だ。
AERA増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』では、5000本以上も販売されている投資信託の中から「米国の株式のみ」に投資するものを調査し、売れている順にランキングした。
一般の人が検索できる証券会社や投信評価会社の投信情報には「米国の株式だけに投資するファンド」という分類がないため、貴重なデータといえるだろう。
ダントツの1位は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」。2位以降に「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が続く。
いずれも信託報酬(投資信託のコスト)が0.1%以下と激安な点も評価できる。
そもそも今後の米国株市場はどう動いていくのだろうか。マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎さんに聞くと、米国株について強気だという。
その根拠として、企業業績のV字回復見通しと、FRB(連邦準備制度理事会)による金融市場への限りない流動性の提供を挙げた。
米国政府はコロナ対策として経済を一時的に止める一方、迅速な経済対策とFRBによる大量の資金供給を実施した。この結果、企業業績は44%もの大幅減益となった4~6月期で底をつけた。2021年は1~3月期に13%増益、4~6月期に64%増益と急回復が見込まれている。
「今後の強気相場を引っ張っていくのは、引き続きGAFA+M(グーグル=アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム+マイクロソフト)でしょう。これらグローバルIT企業と経済回復の恩恵を受ける銘柄の両輪での投資を考えてもいいかもしれません」(岡元さん)
(構成/大場宏明、新藤良太、編集部・中島晶子、伊藤忍)
※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成