紹介サイトなどから申し込む方法もあるが、今までの仕事のつながりから「口コミ」で声がかかるのが理想的という。

 ニッチな分野で力を発揮できるスキルがあれば、それが強みになるというが、「自分の強みが何か」がわからないという人が多い。

「採用時の職務経歴書や面接でよくある答えは、『営業一筋30年やってきました』と漠然としていること。『年間5千万円売り上げてきました』というと、『このなかで貢献してきたことは何か』と、必ず問われます。自分の役割を明確化して言葉にする。それがスキルの棚卸しにつながります」(同)

 人材派遣大手パソナグループに契約社員として採用された利重悦子さん(61)さんも、面接では「コミュニケーション能力」を具体的にアピールした。

「職務経歴書には細かく実績を書き、面接ではコミュニケーション能力についてアピールしました。広告の仕事は一人で完結するものではなく、社内や社外の人たちと協力し合ってゴールに向かいます。さまざまな年齢層の人や役職の人とコミュニケーションを円滑にとりながら、ひとつずつプロジェクトを進めてきたことを伝えました」(利重さん)

 また、客観的な立場に自分を置いてみると、「強み」を見つけられるケースもある。

 あるキャリアを積んだ女性が上司に「私の強みは何ですか?」と尋ねたら、「この書類はどこに保管されているのかすぐにわかること」と言われて、ガッカリしたという。

「女性は一生懸命勉強して資格を取ったことなどが評価されると思っていたのですが、上司は違う点を評価していました。じつは、中小企業では女性が持っているような職務経歴書にはあらわれない、実務的なスキルは常に求められています。それを言葉にあらわす訓練をすると、面接のときに高評価につながります」(前川さん)

 前川さんは「人生後半戦の使命を考えるキャリアプランニングシート」を開発。自分の意思で「これから人生の後半戦、どのように過ごしていきたいのか」といったことを言語化してみよう。

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