祖父母が孫に教育資金をまとめて贈っても、贈与税がかからない――。こんな税制改正案を自民・公明の与党が検討している。与党が1月24日にまとめる税制改正大綱にも盛り込まれ、来年度から実現しそうだ。
『相続のミカタ』(中経出版)の著者で、日本中央会計事務所の代表である税理士の青木寿幸(としゆき)さんはこう説明する。
「これまでも祖父母が孫のためにお金を使う場合、教育費や生活費を『使う都度』あげていれば、原則は非課税となっていました。今回の改正案では、使途が教育資金に限定されますが、お金を『いっぺんに』あげられるのがポイントです」
気になる詳細についてはいまのところ、▼祖父母は信託銀行などに教育資金用の孫名義の口座を作り、孫やその親は授業料などが必要となった際にその都度、引き出す▼制度は2013年度中から3年間の時限措置▼非課税となるのは孫1人あたり1500万円まで――などと報じられている。
ちなみにこの改正案は、財務・金融相を兼ねる麻生太郎副総理の名をとって「麻生印」とも呼ばれる。首相時代に「贈与税減税」を打ち上げた麻生副総理が当時から温めていたという、“肝いり”の政策なのだ。
※週刊朝日 2013年2月1日号