ジャック=獅堂の娘が、ヘソ出しファッションでマリファナ&ビールがっつりなアメリカ正統派不良娘から、スナック菓子にジュース飲んでるお嬢ちゃまになりましたとか。
こまごま改変はあるけれど、時間の経過もセリフも事件の展開も同じ。
同じなだけに、かつての海外版からおよそ20年の時の流れを感じる。
あの時はピュアに24時間の緊迫感を味わっていた我々が、なぜか今抱く物足りなさ。そう、我々はその後いかに「半沢直樹」に調教されたか。
あのムダな顔芸。ムダな密着感。ムダなどアップに怒鳴る、ためる、土下座する! すべてが過剰な半沢劇場。その禁断の劇薬に触れてしまった今、「ピ、ポ、ピ、ポ」を見ていても、ジャック=獅堂もっと怒鳴るんだ、顔寄せるんだ、テロリストに千倍返しだっ。
て、圧倒的に足りない密と圧。どこかで香川照之出しておく?
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2020年10月30日号