案の定、めちゃくちゃおもしろかったです。泣きました。上映中、周りから何回もすすり泣く声。大人の泣く声、子供の泣く声。
妻は原作も読んだことない中、「どうなんだろう?」とちょっと心配。
が、上映が終わると・・・。なんと原作も読んだことない妻が「3回も泣いたよ」と。
それを聞き「よし!!」と思いました。原作を読んだことなくても、3回も泣かせるそのストーリー。
最大公約数を喜ばすことってすごく難しいです。なかなか出来ない。最近で言うと「半沢直樹」がそれになると思うんですけど。だけど、この「鬼滅」は最大公約数を満足させるどころか熱狂させる。
息子も途中、目がウルウルしてたと言ってたので「最後、泣いてただろ~」と言ったら息子は「泣いてないよ~」と強がる。こんなコミュニケーションが取れてしまう。
5歳と40歳と48歳の家族。作品との距離感はそれぞれ違う。なのに、全員の呼吸を通じさせて、全集中させてしまう「鬼滅」の映画の力。
コロナ禍で、夏にはお祭りもなく、ハロウィーンすら楽しめない空気の中、日本人を全集中させてしまうこの映画。コロナ禍の中でみんなが安全に楽しめるお祭りである。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。10/31スタートのテレビ朝日系ドラマ「先生を消す方程式。」の脚本を担当。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中