このほかにも、死亡保険金の名義を誰に設定しているかで、支払う税金の種類や金額が変わってくる。(1)の場合、受取人には相続税がかかるが、「500万円×法定相続人の数」までの保険金は非課税となる(例:妻と子2人の場合、1500万円を死亡保険金から控除できる)。さらに受取人が配偶者の場合は、先述した配偶者の税額軽減が適用されるため、巨額の保険金でない限り、無税で受け取ることができる。

 一方、(2)の場合は、「(死亡保険金―払った保険料―50万円)÷2」の金額に対し所得税がかかる。支払われる保険金の額が大きい場合は所得税も高額になるため、契約者を「夫」名義に変更して(1)のパターンに変更したほうがよい。また(3)の場合は、ほとんどの場合(1)(2)よりも税負担が大きくなるため、契約者と受取人の対象を見直そう。

「生前整理」も重要だ。荷物の整理だけでなく、携帯電話やサブスクリプション(定額制サービス)なども見直したい。配偶者の死後、何年にもわたって銀行口座から代金が引き落とされていたケースもある。

 また、遺言書の作成や葬儀業者の選定、墓地・墓石の購入など、今後行う作業を進めるうえでは、エンディングノートを作るといい。終活カウンセラー協会代表理事で、2万1千人以上の「終活カウンセラー」を育ててきた武藤頼胡さんは、「ポイントは、1ページを『過去・現在・未来』に分けること」と話す。

「例えば、『お墓』のページだったら、先祖代々信仰してきた宗教や宗派は何か(過去)、先祖代々の墓は今どこにあって誰が管理しているのか(現在)、自分もそこに入りたいか、あるいは別に墓を建てるのか(未来)といった感じです。このように物事を時系列で整理すると、自分が不安に感じていることや決断できていないことが可視化され、今後の行動計画が立てやすくなります」

 生前整理は、物や金だけでなく、人間関係にも気を配りたい。武藤さんは、信頼できる仕事仲間や友人など、自分の交友関係を「人物相関図」にしてエンディングノートに書くことを勧めている。

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