イラスト:石山好宏
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AERA 2020年11月2日号より(※アンケートはアエラネットやSNSなどを通じて10月6~21日に実施)
AERA 2020年11月2日号より(※アンケートはアエラネットやSNSなどを通じて10月6~21日に実施)

「男性らしさ」「女性らしさ」の固定的なジェンダー観は、異性からだけでなく同性からも押し付けられることがある。それによるハラスメントは職場でも起きる。「ジェンダー」を特集したAERA 2020年11月2日号の記事を紹介。

【アンケート結果】家庭や学校で感じるジェンダーのモヤモヤ

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 職場でのジェンダー・ハラスメント(ジェンハラ)を訴える声も多い。

「女性が9割を占めた前の職場では、ミスをして落ち込むと、『男のくせに情けない』といったことをよく言われた」

 アエラのアンケートにそう書き込んだのはPR会社勤務の男性(28)だ。一方で、男性上司からは「鍛えてやるから」と毎朝7時に呼び出され、アイデアの「壁打ち」を強要された。男性は「男はタフじゃなきゃダメという価値観の押し付けを感じた」と話す。

 セクハラが主に異性間で起こるのに対し、ジェンハラはこのように同性の間でも起きる。

 関西のパート勤務の女性(44)は、40代後半の女性課長のことを、社員が男女を問わず「おばはん」「おばさん」と呼ぶことに、モヤモヤする。課長は「何言ってんねん、お姉さんです」といなしているが、女性は憤る。

「女の人は若く無知であることが好まれ、年齢を重ね経験があることが評価されないどころか揶揄(やゆ)される。その風潮が若い世代にも引き継がれている」

■「できれば男性がいい」

 性差別を禁じる男女雇用機会均等法施行から30年以上。だが回答の多くに、今が令和であるとは信じられないような実態が綴られていた。

「『この部署の女性は美人揃(ぞろ)いだ』などとルッキズム(外見による差別)丸出しの発言が平気でされる」(47歳、公務員、女性)
「飲み会で若い女性を役職者の近くに座らせる『配慮』(笑)。何度言っても改善されず転職した」(29歳、会社員、女性)

「できれば男性がいいな」

 ウェブ関連の企業で採用や広報を担当した女性(32)は1年前、リーダークラスの人材募集をする際、人事部の男性マネジャーが呟いた一言に衝撃を受けた。会社は「男女平等」「完全実力主義」を掲げ、マネジャーも女性の積極登用を内外にアピールしていた。

「この人の口からこの言葉が出るのかと、がっかりでした」

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