「リモートワークでのコミュニケーションは絶対量が減るだけでなく会議時間以外の余白がなくなり、新しい気づきや雑談が減ることが課題で、それを補う必要があると考えました」

 ワークスペース上には、話題やテーマごとにつくられた「バブル」が表示される。バブルは会議室のようなイメージで、ここに入ることで同じバブル内の人と会話できる。

 社会心理学やコミュニケーション論について詳しい明治大学法学部の堀田秀吾教授は現在の日本を「在宅勤務石器時代」と表現する。本格的に社会に根付いていくのはこれからだという。

「在宅勤務やビデオ通話は社会全体に広まりはじめたばかりで、うまくいかないのは当たり前。コミュニケーションを横に広げたり、非言語情報を伝えたりするための技術もこれから次々に開発されてくるはず。使う側も徐々に最適な方法を見つけていくでしょう。『在宅勤務は難しい』と感じた人は多いでしょうが、諦めるのは時期尚早。私は楽観しています」

(編集部・川口穣、渡辺豪)

AERA 2020年11月9日号より抜粋

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