「最も簡単なのは、ウォーキングシューズの中敷きを取り出すやり方です。立ったままの状態で、足の周りをぐるっと鉛筆もしくはボールペンで囲み、指の一番突き出た部分からかかとまでの長さを測ってみてください。それが自分の本当の足のサイズです」(栗林さん)
そして購入時、足先に余裕があるものを選ぶことを勧めている。
「専門用語では『捨て寸』と言いますが、つま先までに1センチのゆとりがあることが大切。ランニングの場合はもう少し小さな靴を選びますが、ウォーキングの場合、靴の中で指が全部動く状態にしておくことがとても大事です」(同)
正しい履き方として、何より意識してほしいのは「ひもを締め直す」ことだと強調した。あまりに当然のことだが、ひもを結んだまま脱いだり履いたりする人が意外と多いのだという。
このため、ひもはいったんほどいてから履く。足のかかとに靴をぴったりと合わせた後、ひもを締め直し、最後に履き口もしっかりと締める。
「小学生によく教える話ですが、大の大人でもできていないことが多いです。なかにはファスナー付きの靴を使われる方もいますが、そのような場合もファスナーだけに頼らず、ひもを締める習慣をつけていただきたい」(同)
行楽シーズンを迎え、例年であればウォーキングのイベントなども各地で開かれたはずだが、新型コロナの影響で中止が相次いだ。
千葉県内で活動するNPO法人「千葉県ウオーキング協会」でも、3月以降はイベントの中止を余儀なくされた。新型コロナに気をつけながら、会員限定で一部のイベントを再開している。
「(ひもで締めるなどの調整がいらない)スリッポンなど、楽な靴でウォーキングイベントに臨む人も多いですが、その状態で長い距離を歩くと外反母趾などができやすくなる。必ずひも付きの靴を選んでほしい」
同協会でウォーキングや靴選びの相談に応じる近藤博子さんは呼びかける。新型コロナで無理ができない面もあるため、「買い物時にリュックを持って、空いた両手を大きく振るというところから始めるのでもいい。まずは日常の中に『歩く』という動作を取り入れてみてほしい」とも話した。今日の帰り道から試してはいかがだろう。
(本誌・松岡瑛理)
※週刊朝日 2020年11月20日号より抜粋