「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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「日本中の街を元気にしよう!」と、全国各地の外食企業とコラボしています。串カツ田中さんや幸楽苑さん、坂内食堂さんなどの全国チェーンから、たいめいけんさんやヨシカミさん、明治時代から続く北海道のそば店の竹老園東家総本店さんのような地元の老舗、Milkさんなどの専門店まで総勢35社の皆さんとのコラボ商品をローソンで展開します。
コロナ禍でも何かできないかという思いから4月末、串カツ田中さんとコラボを実施。大変ご好評いただいたことから、今回の大規模展開に踏み切りました。10月28日の記者会見に地方からリモートで出席頂いた社長さんもいて、これがまさにニューノーマルだと感じました。
タイアップするにあたり、一人でも多くのお客様に楽しんでいただくことを重視しました。「コンビニで手に取りやすい価格帯」という制約があるなかで、美味しさをとことん追求。お店ごとのこだわりを出そうと、試作を何度も重ねました。究極を目指す外食企業の皆さんの姿は、我々にとって大きな刺激となりました。
企画を進めるなかで、「ローソンさんありがとう」という言葉をいただく機会が何度もありました。ただ、私たちにとってもありがたいことなのです。
外食産業はコンビニにとって時に競争相手ですが、切磋琢磨して、共存共栄することが街の活性化になります。
外食企業のお店の味がローソンにあり、食べたいと思ってお客様が来店してくださる。そして、1万4500店のローソンで商品と出合ったお客様が、今度はそれぞれのお店で「やっぱりうまい!」と感じられたり、ローソンと外食さんを行ったり来たりして頂ければうれしいです。ぜひ、お気に入りのお店の味を見つけてください。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
※AERA 2020年11月23日号