長く下落を続けていた不動産価格が昨年末、ついに底を打ったようだ。消費増税も迫るなか、夢のマイホームの購入にあたり、どういったポイントを考慮すればいいのか。専門家に聞いた。

 マンションを買う場合、新築がいいのだろうか。それとも、中古がいいのだろうか。『マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新書)の著者で不動産調査会社「アトラクターズ・ラボ」の沖有人社長は「私の意見は新築」と明言する。

「新築マンションは築10年まで、所得税や住民税の控除を受けられる住宅ローン減税をはじめ優遇点が多く、管理や修繕積立金の問題なども起こりにくい」

 その半面、「新築は買ってはいけない」と断言する専門家もいる。中古の投資物件を数多く扱うリック住宅センターの山邊浩代表だ。

「アベノミクスが進めば金利が上昇する可能性が高まります。そんな状況で多額の住宅ローンを組んで新築マンションを購入するのはリスクが高すぎる。それより、中古で不人気の激安物件を購入して、自分たちでキレイにリフォームして住むほうがずっとコストパフォーマンスはいい。人が買いたがるものは値段が上がりすぎます。私は、人が買いたがらない物件こそ買うべきだと思います」

 ただ、人に貸すことを考えると、「駅から徒歩10分以内」という条件は外せないという。

週刊朝日 2013年2月22日号