対談を行った佐藤優氏と澤田瞳子氏。連載に記された内容の「その後」を展望する話題で大いに盛り上がった(撮影/楠本涼)
対談を行った佐藤優氏と澤田瞳子氏。連載に記された内容の「その後」を展望する話題で大いに盛り上がった(撮影/楠本涼)
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 佐藤優氏のAERAでの連載を収録した書籍「池田大作研究 世界宗教への道を追う」が出版された。AERA 2020年11月23日号では、同書について佐藤氏と作家の澤田瞳子氏が語り合った。

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澤田:本を拝読していて、非常に面白かったことがあります。池田大作氏の機械工学の技術が非常に役立っているというお話。この間、作家の安部龍太郎先生とお話ししたんですが、安部先生、機械工学のご出身なんですよ。なぜその安部さんが歴史小説をやろうとしたかという話になったとき、理系の人間は、結論に至るまでの過程をとても大事にする、と。だから家康が天下を取った話のときには、権力掌握の事実のみを語るのではなく、その過去をさかのぼって原因を分析する。歴史分析に必要な眼差しは、理系の人間の考え方と近いとおっしゃっていました。

佐藤:安部先生の場合、種子島に鉄砲が伝来したことについても、火薬に必要なものは硫黄と硝石と木炭で、硝石さえあれば種子島には硫黄があるから作れる。そうするとあれは、やはり意図的に来たんじゃないかって結び付ける。非常に説得力がありますよね。

澤田:そうなんです。理系の方って、そういうさかのぼり方ができるわけです。池田氏の機械工学の話が出てきたときに、あ、ひょっとしてこれと関係あるのかもしれないと考えたわけです。

佐藤:あると思います。池田氏の中にそういった工学的な発想というのは。

澤田:さきほどの「詰めない」という話も、過去をずっと見てこられた方だったら、そこは詰めないほうがいいだろうなと、そのメリットをよくご存じのはずなんです。

佐藤:それを計算してやってるんじゃなくて何となくそうなってるって、私なんかは思うんですよね。それがやっぱり宗教の強さだと思うんですよ。計算するとダメなんですよ。

澤田:池田大作氏が初代ではないことも大きいのかもしれないと感じました。第3代ということは過去があって、そして未来がある事実を意味するわけですし。

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