北朝鮮が3回目の核実験に「成功」した。詳細は不明だが、核の小型化を実現したとみられている。日本のほとんどはすでに、北朝鮮が保有する射程1300キロの中距離弾道ミサイル「ノドン」の射程内にある。
仮にノドンに核弾頭が搭載された場合、どの程度の「破壊力」があるのか。日本エネルギー経済研究所の黒木昭弘常務理事が言う。
「今回の核実験の爆発規模は、高性能火薬換算で6キロトンから7キロトンと言われています。広島の原爆が約15キロトンですから、その半分程度となります」
実験では、通常の原爆よりもエネルギー効率のよい「ブースト型核分裂爆弾」が使われたという見方もある。この爆弾は、核融合技術を使い、威力を保ちながら小型化することが可能で、弾道ミサイルへの搭載が容易になるという。
では、「標的」となる可能性が高いのはどこなのか。防衛省・統合幕僚監部等の元情報分析官で軍事アナリストの西村金一氏はこう指摘する。
「北朝鮮が日本を狙うとすれば、東京などの大都市、在日米軍基地、そして原発でしょう。韓国メディアが昨年報じたところによると、朝鮮労働党の宣伝扇動担当書記が『原発1カ所を攻撃すれば広島の原爆の320倍の爆発が起こり、日本を地球上から消し去れる』と講演で発言したようです」
そして、その危険極まりないミサイルが北朝鮮で発射された場合、日本に届くまでの「到達時間」は「最短で7~8分とみられています」(同前)
※週刊朝日 2013年3月1日号