その一方で近年は有力な外国馬の参戦がほとんどなくなり、ついに昨年は39回目にして初めて日本調教馬のみによってレースが行われるなど、国際G1としての存在感は限りなくゼロに近づいているジャパンカップ。今年も三冠馬対決という楽しみはあるものの、外国からの参戦はウェイトゥパリスのみだ。
そうなってしまった理由はガラパゴス化とも言われる日本特有の高速馬場や、欧州の凱旋門賞からアメリカのブリーダーズカップターフ、そして12月の香港国際競争という国際的な主流ローテーションからはじかれてしまったことなど、複数の要因が考えられる。今後は開催時期の見直しなど抜本的な改革をしなければ失地回復は難しいのかもしれない。
それはともかく、今年はコントレイル、デアリングタクト、アーモンドアイによる世紀の一戦だ。現地での観戦がかなう幸運なファンはもちろん、テレビの前で固唾をのんで見守るファンにとっても、後々まで「自分はあのジャパンカップをリアルタイムで見たんだ」と自慢できる名勝負になることを期待しよう。(文・杉山貴宏)