株価上昇に沸いているのは日本だけではない。米国はなんと史上最高値すらも視野に入っている。リーマンショックの傷が癒え、世界最強の経済大国はすっかり勢いを取り戻した。そのうえ円安ドル高は続くというから、米国の株や投資信託はいよいよ「買い時」を迎えたか。
金融危機によって、お金が株式市場から、利回りは低くてもより安全な国債や社債など債券市場に「避難」した。それが景気回復とともに株式市場に「逆流」しだしたことが、いまの株高の要因のひとつとされる。
そこで、株と投資信託について、具体的にどんな商品がいいのか、見ていこう。
専門家が注目するキーワードのひとつが「住宅価格の上昇」だ。「今年さらに15~20%程度上昇するのではないかと見ています」と、ホリコキャピタルマネジメントの堀古英司代表が言う。
これによって、さまざまな波及効果がある。まず、金融危機で失業するなどしてローンが払えなくなり、銀行が差し押さえた「不良債権」の住宅が売れやすくなる。さらにはマイホームを買おうと考えている人は、「これ以上値上がりする前に」と急ぎ、住宅ローンの借り手が増える。
この2点で銀行の経営内容は大きく改善し、それに連れて株価も上がる。たとえば堀古代表と、「家計の見直し相談センター」のファイナンシャルプランナー、藤川太氏が注目するバンク・オブ・アメリカの株価は金融危機によって2.50ドル(09年2月)まで下がったが、いまや5倍だ。
※週刊朝日 2013年3月8日号