秋篠宮さまは55歳の誕生日に際し記者会見を行った。その中で、長女の秋篠宮眞子さまの結婚について「認める」と発言した=今年11月20日、東京・元赤坂の赤坂東邸で(写真:宮内庁提供)
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AERA 2020年12月14日号より

 眞子さま結婚について「認める」と述べた秋篠宮さま。その背景には秋篠宮さまご自身や皇室の恋愛観があったのではないかと、識者らは指摘する。AERA 2020年12月14日号から。

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「結婚を認めるということです」

 今年11月20日に行われた誕生日会見で、秋篠宮さま(55)は、眞子さまの結婚について記者らの質問にそう答えた。

 これに先立つ9月には紀子さま(54)が誕生日文書で「長女の気持ちをできる限り尊重したい」と述べた。11月13日には眞子さま(29)と小室圭さん(29)のお気持ち文書が公開、「結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」としていた。

 そして秋篠宮さまの今回の発言。この3ステップを踏んで、秋篠宮家としての眞子さまの結婚についての考えは、国民に向けて発信された。

 2017年に眞子さまと小室さんの婚約内定が報じられてから3年、3段階の手順を踏んだことからもわかるように、ここまでくるには紆余曲折があった。大きな要因は、17年末に報じられた、小室さんの母親と元婚約者を巡る約400万円の金銭トラブルだ。

■自由恋愛の末の結婚

 秋篠宮さまは18年の会見で、「結婚したい気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をすべき」「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません」と述べた。

 歴史学者で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、秋篠宮さまが言及していたこの課題について、「現在まで一切解消されなかった」と指摘する。小室さんは19年に「解決済みの事柄と理解」としたきり。今年11月末になって、元婚約者が「小室家に返金は一切求めない」と語ったと週刊誌が報じた。

「説明を求めているのになぜ誠実に答えなかったのか。なぜ、元婚約者の側が折れなければならなかったのか。道義的な理不尽を国民は見ています。秋篠宮さまの不信感もむしろ深まっているのでは」(小田部さん)

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