大阪府警は2月19日、多額の収入があるにもかかわらず生活保護費を受給した詐欺容疑で大阪市西成区の倉田寛子(ともこ)容疑者(27)を逮捕した。なんと驚くことに、彼女は、北新地の高級クラブや高級キャバクラで働く“売れっ子ホステス”。昨年2月から11月にかけて460万円あまりの収入があるにもかかわらず、生活保護費約62万円を不正受給していたというのだ。

「(倉田容疑者は)座るだけで5万円という店をいくつも転々とするほど人気だった。プロ野球の有名監督HさんやタレントYさんの横についたと自慢していました。週末には、よくお客さんとゴルフに行ってましたよ。自慢の高級ゴルフクラブも持っていました」(倉田容疑者の同僚)

 自宅では犬2匹を飼い、出勤時はいつもブランド物を身にまとっていたという。高級クラブでの日給は3万8千円から4万5千円だったというから、生活保護の月額は2日もあれば稼げるはずだが……。

 大阪市西成区は全国平均でも、生活保護受給者が多い地域として知られる。そこで大阪市は、一昨年11月から警察官OBやケースワーカーらによる「不正受給調査専任チーム」を配置。今回の立件も、そのチームの功績が大きかったという。

「本人が呼び出しに応じないので、住居をチェックした。張り込みを続け、自転車で尾行すると、生活保護を受給しているのに、別の住まいを他人名義で借りていたことがわかりました」(同市関係者)

 さらに調査を進めると、北新地の高級クラブで多額の収入があることが判明し、府警に告訴したのだ。倉田容疑者は府警の取り調べに対して、「おばがすべてやっていたのでわからない」と否認しているという。

週刊朝日 2013年3月8日号