12月9日、雅子皇后陛下は57歳の誕生日を迎えられる。皇后になって2年目となるが、今年はコロナ禍で多くの行事が変更されるなど、影響も。そんな中で雅子さまが育まれた愛子さまとの絆とは──。ジャーナリスト・友納尚子氏が雅子さまの近況を綴る。
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雅子さまのこの一年は、新型コロナウイルスの感染拡大で公務のほとんどが中止や延期となったため、国民との触れ合いは少なくなっていた。
天皇陛下とご一緒に国民と共にある皇室を維持するために、何ができるのかを模索され続けた年でもあった。
皇后2年目となる今年は、新年の祝賀行事から始まった。
令和初の一般参賀にもすべてお出ましになり、「歌会始の儀」には、17年ぶりにご出席されたことからも順調なスタートだった。
雅子さまが今年発表された和歌は、
<災ひより立ち上がらむ
とする人に若きらの力
希望もたらす>
19年暮れに、台風19号で大きな被害に見舞われた宮城県と福島県の応急仮設住宅などを訪問された時に感じられた被災者への思いを詠まれたものだった。ご療養に入られた当初は、愛子さまのことをよく詠まれていたが、今年は被災者に目が向けられるようになっていた。
正月行事が終わってからも雅子さまの活動は続いた。2月23日に陛下が60歳の誕生日を迎えられて、雅子さまも祝賀・宴会の儀・茶会の儀などにご出席された。
即位後、初めての天皇誕生日に、雅子さまと愛子さまは心温まるメッセージカードと例年よりさらに印象に残るプレゼントを贈られたそうだ。
しかし、この頃から同時に新型コロナウイルスの感染者が激増した。
だが、両陛下は御所内ではいつも通りにお務めをされていた。陛下はご執務をなさり、両陛下でご接見や拝謁、ご会釈などで人とお会いになった。
4月には尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長(当時)ら専門家などからご進講を受けられていた。
赤坂御所での両陛下のコロナに関するご進講メモは何十冊にもなったといわれ、感染状況だけではなくコロナ禍による政府の対応や経済、福祉への影響などにも関心が寄せられた。