近年、加速度的に普及しているスマートフォン。便利な一方で、スマホの長時間使用は、眼精疲労やドライアイ、肩こりなどを引き起こすという。同じ姿勢が続くことによって起きる「筋膜の癒着」や、肩こりなどの原因となる「ストレートネック」も、「スマホ症候群」の代表的な症状だ。

 そもそもストレートネックは、長時間デスクワークを行う人に多く見られる症状だが、スマホの普及につれて患者が増加の一途をたどっているという。スマホは、顔を画面に近づけてのぞき込む姿勢になるため、本来は緩やかなカーブを描いている頸椎(首の骨)が、直線状になってしまう。

 頭の重みが緩和できず、首や肩に負担がかかることで、肩こりをはじめ、首の痛み、腕のしびれやだるさなどを引き起こす。頭痛やめまい、吐き気などを訴える人もいる。

「女性のほうが首を支える筋肉が弱く、ストレートネックになりやすい。ただし、女性は軽い症状でも自覚しやすいため、早い段階で来院する人が多いです。問題は男性。軽い症状だと我慢してしまい、本人が気付くころには深刻な状態になっていることが多いですね」

 そう話すのは、KIZUカイロプラクティック(東京都中央区)の木津直昭代表院長だ。

 では、こうしたスマホ症候群のから体を守るためには、どんな対策をとったらいいのだろうか。実はスマホの持ち方を工夫するだけでも体の負担は激減するという。

「スマホの画面を見るとき、スマホを持つ腕のひじの角度は90度を意識して。反対側の腕を、スマホを持つ腕のひじ下に入れることで、目線が上がり、首や肩が楽になります。ストレートネックの予防にもつながります」(木津院長)

週刊朝日 2013年3月8日号