林:まあ、コアラで落ちちゃったんだ。

安藤:こんな甘いもんじゃないんだと反省して、次に国際文化協会の交換留学生の募集があって、それがアメリカだったんです。それは最終面接まで行って無事合格しました。

林:どちらに行かれたんですか。

安藤:1州1人と決まってて、みんな全米に散らばるんですけど、私はミシガン州。自動車産業の都市デトロイトから1時間ぐらいの郊外の町というか、村みたいなところで、そこのふつうのアメリカの公立高校に留学しました。

林:安藤さんがテレビに出てきたとき、英語ペラペラだし、ショートカットで、今までこういう凛々しい女の人はいなかったと思ってまぶしかったですよ。女性でメインキャスターって、安藤さんが初めてですか?

安藤:と言われてるので、たぶんそうだと思います。テレビ朝日でやらせていただいたときは、小宮悦子さんがいて、私がいて、もちろんメインが久米宏さんで、小林一喜さん(朝日新聞編集委員、当時)がいたんですけど、フジテレビに行ってからは逸見政孝さんとの2人メインキャスターという感じでした。そのあと「ニュースJAPAN」という深夜番組になったときに初めて女性がメインで、それを私がやったんですね。木村太郎さんと宮川俊二さんという元NHKの方に支えられて。

林:あの構図がすごく新鮮でしたよね。

安藤:私はコワかったですよ。時代的に早いんじゃないのかなと思ったし、視聴者に受け入れられるのかなという不安はすごくありました。でも、支えてくださった木村さんと宮川さんが大人の男だったんですよ。気持ちよく私をかついでくれて、視聴者の方にも受け入れていただいて、すごく楽しかったです。女性メインが代々続いて、そのあと滝川クリステルさんもやって。

林:「女の時代」って言われるけど、マスコミは早かったですよね。見かけだけにせよ、流行(はや)りものを人に見せる形でやろうとして、それが女性にどれだけ力を与えたかわからないと思う。

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