日本維新の会で内紛がまたまた勃発した。日銀の正副総裁人事案の賛否を巡り、共同代表の橋下徹大阪市長(43)と小沢鋭仁国対委員長(58)らがバトルを繰り広げたのだ。幹事長の松井一郎大阪府知事(49)の仲裁で小沢氏がすぐに会見し、「橋下さんに異論を唱えたつもりはない」と弁明したため、ひとまず収束したものの、国会議員団幹部は憤りを隠さない。

「橋下さんは、自分の意見が聞き入れられなければ、すぐにキレる。日銀人事の対応は、最後は国会議員団に任せると彼自身が言ってきたんだから、われわれは政府案に賛成する」

 若手の国会議員もこう指摘する。

「大阪方と国会議員団幹部との板挟みには慣れましたが、やることがチグハグすぎる。松井さんは安倍首相側近の菅義偉官房長官に頼み込んで、任期満了となる副知事の後任に総務省のキャリア官僚を斡旋してもらった。財務省はダメで総務省ならいいんですかね」

 関係者によると、維新は昨年末は「四分五裂」だったが、今は「六分七裂」に近い状態なのだという。

「国会議員団は今、石原慎太郎共同代表と近い平沼赳夫国会議員団代表や片山虎之助政調会長といった旧太陽組と、維新を政党化したときの創設メンバーである松野頼久幹事長ら5人組、中田宏前横浜市長や東国原英夫前宮崎県知事といった首長出身組、衆院選前に合流した小沢氏ら旧民主党組、橋下氏を支持する橋下ベイビーズに分かれている。さらに、大阪維新の会も、安倍首相を信奉する松井さんら自民党出身組と、橋下さんを信奉する組に割れています。参院選後の大分裂は必至でしょう」(別の所属議員)

週刊朝日 2013年3月15日号