■ワンストップの相談会
コロナの感染拡大を受け、国は個人向けの給付金や無利子の貸し付けなど支援策を強化しているが、市町村の中には積極的に生きる支援に力を入れるところもある。東京都江戸川区では区民を対象に、弁護士や生活困窮支援相談員、中小企業診断士ら専門家を集めたワンストップの相談会を、毎月1回開いている。参加無料で、予約の必要もない。入り口で保健師か精神保健福祉士が悩みを聞き取り、内容に応じて専門家のブースに案内する。緊急事態宣言が出た4月は中止したが、5月以降は「こういう時期こそ必要」と続けている。同区いのちの支援係の古田満智子さんはこう話す。
「相談会で問題解決の糸口だけでも見つけてもらいたい。その後も、何らかの支援につながるまで、継続して見守ります」
こうした相談会でなくても、現在、すべての市区町村が自殺対策の計画を作って取り組んでいて、生活の不安の相談に乗り、生きるための支援を考えてくれる。最後のセーフティーネットとして生活保護もある。(編集部・深澤友紀)
※AERA 2020年12月21日号より抜粋