桜を見る会の「前夜祭」の告発では、政治資金規正法違反(虚偽記載)で公設秘書が略式起訴になる可能性が高い。つまり、安倍氏自身は不起訴。表向き「無傷」だ。しかし、検察審査会への不服申立が出される可能性が濃厚で、「起訴相当」などの結論が出されることも考えられる。

 安倍氏の動きは一定、制約され、菅政権にも影響がでる。
 
 菅政権にさらなるダメージとなるのが、「鶏卵マネー」の疑惑だ。吉川貴盛元農相が鶏卵大手のアキタフーズ元代表から500万円を大臣在任中に受け取った問題を東京地検特捜部が捜査。吉川氏本人にも事情聴取した。吉川氏は議員辞職に追い込まれた。

「吉川氏が議員辞職しようが、捜査は関係ない。逮捕許諾請求が不要になっただけ。アキタフーズ側は現金の授受を認めているので、そう時間は
かからないでしょう。Xデーは年明けになる」(捜査関係者)

また、先の自民党ベテラン議員はこう話す。

「鶏卵マネーの疑惑は、アキタフーズだけではないようだ。検察はそちらも捜査し、閣僚クラスを狙っているようだ。安倍氏の検察の処分が決まると批判され、次に吉川氏の疑惑でまた支持率が下がる。コロナ対策は後手にまわり、感染は止まらない。『10月には衆院任期満了で選挙。菅首相では持たない』『総辞職して新しい人に』と菅首相を支持していた派閥からも愚痴が出るほど。年明けになれば、総理候補の名前が上がりだすんじゃないか」

(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事