所属する劇団で1カ月間の大阪公演をすることもある俳優の古田新太さん。劇団員のウィークリーマンションがいわく付きだったそうだが、古田さん自身はいわく付き物件に何の不安もないという。その理由は意外な経験からだった。
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別においらは「いわく付き物件」が、嫌なわけじゃない。独身時代は、あきらかに物件のその部屋だけが極端に家賃が安い所を、好んで借りていた。別に誰が死んでようが殺されてようが、メンテナンスが済んでいたら、何も問題が無いからだ。
知り合いの坊主に「古ちん、この部屋はヤバいよ。何か問題ないか?」「別に。たまに壁がビッショリ濡れてるくらいかな」「ほら、やっぱり。じゃ、とりあえず塩撒いとくから。ちゃんとお祓いしてもらった方がいいよ」などと気持ちの悪い事を言われた。
しばらくして別の友達が泊まった時、「古田、お前昨夜、壁に小便してたぞ」と、真相が明らかになった。そんなもんである。霊だの怨霊など、無いのである。目に見えない物は、無いと断言していいのである。
※週刊朝日 2013年3月22日号