※写真はイメージ(gettyimages)
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 2020年はコロナ禍で予定していた公演が中止になり、舞台に立つことができなかった。そのなかで改めて感じたエンターテインメントや舞台に対する思い、主演舞台への意気込みを語った。AERA 2021年1月18日号に掲載された記事を紹介する。

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 2017年、アメリカ演劇界を席巻し、トニー賞などを総なめにした舞台「Oslo(オスロ)」が今年2月、日本で初上演される。1993年のパレスチナとイスラエルの歴史的和平交渉「オスロ合意」の舞台裏を描いたものだ。主演の坂本昌行(49)はオスロ合意の立役者であるノルウェーの社会学者、ラーシェンを演じる。

坂本昌行(以下、坂本):この舞台のお話をいただいたときには、「どこから手をつけよう」というドキドキがありましたね。ちょうど「オスロ」が上演されていた時期にニューヨークに行っていたので、その評判は聞いていましたし、オスロ合意は歴史的な出来事として知ってはいました。ただ、改めて勉強するとさまざまな背景があったことがわかってきましたし、歴史や政治用語は言葉だけを追うと難しくなってしまう。この物語に描かれていることは歴史上の事実だけではないんです。そこにあった人間関係や対話、その怖さやおもしろさを「実際に起こっていること」として表現することで、何が起きたのかをリアルに表現できると思っています。

「世界を変える。国を動かす」。そう言われてまず出てくるのは「そんなの無理!」という言葉だと思うんです。そんな大きなことはできない、と。でもそうではない。ラーシェンはさまざまな切り口を考え、時には相手に対して真逆の方法でアプローチしながら、まず人と人とを結ぶ努力をしていく。なせばなる、出来ないことはない。信念を持てば、結果が待っているんだという事実は、いまの時代にも通じるメッセージであると思います。

——―ラーシェンには心強いパートナーがいる。妻で外交官でもあるモナ(安蘭けい)だ。

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