大学入学共通テストの会場では、席の間隔が空けられ感染対策が取られた (c)朝日新聞社
大学入学共通テストの会場では、席の間隔が空けられ感染対策が取られた (c)朝日新聞社
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AERA 2021年2月1日号より
AERA 2021年2月1日号より

 コロナ禍の中、今年初めて実施された大学入学共通テスト。緊急事態宣言下での試験に不安を抱く人も少なくなかったようだが、感染対策や試験の運営に対する評価は悪くないようだ。AERA 2021年2月1日号の記事を紹介する。

【大学入試をめぐるスケジュールはこちら】

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 共通テストは11都府県が緊急事態宣言下にあるなか実施された。京都大学志望で今年2度目の受験に挑んだ松永大翔(ひろと)さん(19)は言う。

「今年の入試は、試験だけでなくコロナとの闘いも加わりました。年末に感染が拡大したときにはスケジュール通り共通テストが行われるのか、心配でした。予定通り受けられホッとしました」

 文部科学省は昨年6月、新型コロナに対応した試験実施のガイドラインを策定。全国681カ所の会場は、大学入試センターが示した予防対策に従い準備した。受験生は食事のとき以外は常にマスクを着用し、昼食は自席でとる。事前の健康観察も呼びかけられ、席の間隔は1メートル程度空けられた。会場には、医師と看護師が待機し、第1日程の追試会場は全国47都道府県に設けられた。

 今週末、第2日程も兼ねた追試験が実施されるが、過去最多の1729人が受験許可となった。ガイドラインの協議に携わった、国際医療福祉大学教授(公衆衛生)の和田耕治さんは共通テストの感染対策を次のように評価する。

「共通テストが中止になることがあってはいけないと、昨秋から繰り返し提言してきました。萩生田光一文科大臣が早くに実施を明言したのは良かったです」

 緊急事態宣言下での50万人の入試に、会場での感染やクラスター化を心配する声もSNSにはあった。和田さんは言う。

「試験会場では複数で食べたり、話したりといった飛沫の飛ぶ状況を極力減らしました。受験生は健康管理して臨み、感染リスクは低く保てたと考えます」

■社会で受験生を守る

 駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一さんも次のように語る。

「韓国では昨年12月、日本の共通テストに当たる、大学修学能力試験があり約49万人が受験しました。そこでもクラスターが発生したという話は聞きません」

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