漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「君と世界が終わる日に」(日本テレビ系 日曜22:30~)をウォッチした。
【竹内涼真とゾンビが元気すぎる!?「君と世界が終わる日に」のイラストはこちら】
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ゾンビドラマといえば「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」(NHK総合)、略して「ゾンみつ」を思い出す。
ゾンビに囲まれ立てこもったコンビニの中で、夫が自分の親友と不倫していたことを知るヒロイン。外側の地獄よりもややこしい内側の地獄という、なかなかエッジの利いた作品だった。
そして新たに始まったこのゾンビもの。「ゾンみつ」というよりも「ゾンビが密」な「ゾン密」が気になってしまう今日この頃。ゾンビの皆さん、マスクできないしね。
と、心配するほど初回に大量ゾンビが出てきた本作の宣伝文句は「ゾンビサバイバル×ラブストーリー×ミステリー」。盛りすぎ~。
主人公の間宮響(竹内涼真)が、これまたゾンビサバイバルのために生まれてきたかのごとく、都合のいいスペックを兼ね備えている。
まず自動車整備工だから、車の修理はOK。冒頭、トンネルの崩落事故で一人閉じ込められたけど、自らコンクリートの残骸を掘り進んで脱出しちゃう力持ち。
弁当男子なので料理もおまかせ。さっそく逃げ延びた仲間たちに料理を披露。サバ缶カレーにミネストローネに乾パンあんこサンド。作りすぎ~。緊急事態なんだからもっと自重して!
高校時代はなんと弓道部。避難所になっていた高校の弓道場で、すかさず弓矢をゲットするやいなやゾンビの頭をバシバシ射ぬく。サクサク進むゲームか、コレ。
口癖は「あきらめなければ、道はひらく」。
「どんな壁でもぶち壊せる! 道が無きゃ作ってやるよ!」と叫ぶ響。
あらやだ、響ならぬ猪木? アントニオ猪木なの? 思わず脳内で「迷わず行けよ、行けばわかるさ。1、2、3、ダーッ!」ってこだましたわ。
どうやら猪木イズムでゾンビにコブラツイストをかけつつ(危険)、離ればなれになってしまった恋人・来美(くるみ=中条あやみ)を捜し出す物語らしい。
そして、ここで残念なお知らせです。本作は日本テレビと動画配信サービスHuluの共同制作。地上波でシーズン1・全10話を放送後、3月よりシーズン2がHuluで配信されるそうな。
もうこれ絶対、地上波できっちり終わらないヤツじゃーん。テレビの最終回、「君と世界が終わらない日」決定ですよ。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2021年2月5日号