■「無利子・無担保・保証人不要」の一般家庭向けの貸し付けは返還期限を延長
最近また、報道番組などで取り上げられることが多くなった、あの“10万円”の「特別定額給付金」ですが、菅首相をはじめ政府関係者は、再度の給付を繰り返し否定しています。もちろん、これからの経済状況次第で変更されることもあるとは思いますが、現状では政府として、生活に困った世帯に対しては「緊急小口資金」「総合支援資金」などで対応するとしています。
これらの支援金は新型コロナウイルスの影響により、従来あった低所得世帯向けの貸付制度の利用者枠を拡大したものです。対象は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業などにより収入の減少があり、緊急かつ一時的な生活維持のための貸付を必要とする世帯です。
この特例措置は昨年から導入されていますが、今回の緊急事態宣言を受け、今年に入り返済期限の延長が図られています。
特例措置により、この2つの制度とも無利子・無担保で保証人も不要となっています。また新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、休業状態になくても貸し付けの対象となります。これらの概要も把握しておきましょう。
●【緊急小口資金の特例貸付】
〇貸付上限額/10万円または20万円以内(世帯の人数や要介護者などの有無により異なる)
〇据置期間(※返済しなくてもよい期間)/1年以内
※2022年3月末以前に償還時期が到来する予定の貸し付けに関しては、22年3月末まで延長
〇償還期限/2年以内
●【総合支援資金の特例貸付】
〇貸付上限額
・単身世帯 月15万円以内
・2人以上の世帯 月20万円以内
〇貸付期間/原則3カ月以内
※貸し付けの期限を迎えても、引き続き新型コロナウイルスの影響による収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯が自立相談支援機関による支援を受ける場合は延長が可能
〇据置期間/1年以内
※22年3月末以前に償還時期が到来する予定の貸し付けに関しては、22年3月末まで延長
〇償還期限/10年以内
問い合わせ・申し込みは、両者とも各自治体の社会福祉協議会です(緊急小口資金は労働金庫店舗でも申し込み可能)。無利子である上に保証人不要と、貸し付けを受けるハードルが下がっています。収入減で生活に不安を感じている人は、これらも検討してみてください。
次回も引き続き生活を安定させるための社会保障の基礎知識について解説したいと思います。
(構成・橋本明)
※本連載シリーズは、手続き内容をわかりやすくお伝えするため、ポイントを絞り編集しています。一部説明を簡略化している点についてはご了承ください。また、2021年1月28日時点での内容となっています。
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