自伝を出版したばかりのジャーナリスト・田原総一朗さん。本に描かれた半生はあまりに過激だ。作家の林真理子氏との対談で田原氏はこう話す。

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林:田原さんのご本『塀の上を走れ』を読ませていただきました。田原青年の血湧き肉躍る自伝で、すごくおもしろかったですよ。田原さんって、政治家をバッサバッサ斬るコワモテのジャーナリストだと思っている人が大半でしょうけど、この本を読むと、とんでもないアナーキーな人なんだということがわかります。

田原:ずいぶん長いあいだ、本当にアナーキーでした。だけど、3人の総理大臣(海部俊樹、宮沢喜一、橋本龍太郎)を失脚させてから、ちょっと考えが変わりました。こんなことをしていていいのかと思って。権力者って、もっといろいろアイデアを持っているのかと思ったら、ないことがわかった。

林:のっけからすごい話の連続で、びっくりしちゃいました。若いころ、東京12チャンネル(現テレビ東京)のディレクターだったときに、取材でアメリカの酒場に行ったら、「ビリヤード台の上で売春婦とセックスしたら撮影を許可してやる」と言われて、田原さん、本当にしちゃったんですよね。

田原:そこを経営していたのはマフィア系の人でした。やらなきゃ取材させないとなったら、しょうがないじゃないですか。その本にも書いたけど、全共闘の仲間同士が結婚するというので、取材に行ったんです。

林:「日本の花嫁」というドキュメンタリー番組ですね。

田原:仲間たちがみんな花嫁とセックスするというんです。行ったらみんな裸になっていて、「スタッフも裸になれ」と言われて、僕ら裸になった。そしたら花嫁が「ディレクターと最初にやりたい」と言うんです。ちょっと逃げるわけにいかないし、しょうがない。しました。

週刊朝日 2013年4月26日号

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