小池氏の足元も揺らいでいる。小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会は、2月に栗下善行都議が離党し、石毛茂都議が除名処分に。2017年の都議選後、党を離れた者は計8人となった。なぜ、去る者が相次ぐのか。19年1月に都ファを離党した奥沢高広都議はこう話す。
「党の意思決定過程が不透明。私は党運営改革の提案書を出すなどしましたが、取り入れてもらえませんでした」
小池氏と都議の関係についてはこう証言する。
「雲の上の人で、そんなに親しく話すという感じではなかった。人にもよるようですが、私の場合、小池さんと議論したり、考えに耳を貸してもらったりということはあまりありませんでした」
政治家として随所で勝負強さをみせる小池氏だが、最大の課題は離れゆく人心か。7月4日の都議選では、前回、都ファと組んだ公明党が自民党と再接近するとの観測もある。前出の深谷氏が語る。
「今、都議会自民党と都議会公明党の幹部が協力関係を相談していて、いい方向に向かっています。自公で政権を取っているんですから、それが自然。今年は衆院選もありますからね。前回はブームにやられましたが、持てる力を発揮すれば、自民党は復活するでしょう」
(本誌・上田耕司)
※週刊朝日 2021年3月26日号