緊急事態宣言延長の裏で、東京都の小池百合子知事の馬脚があらわれる出来事があった。神奈川県の黒岩祐治知事が3月7日のテレビ番組で、小池氏との不協和音を“暴露”したのだ。
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それによると、緊急事態宣言の2週間程度の延長が必要と考える小池氏は、しぶる黒岩氏を説得して1都3県合同で国に要請を出そうと「他の知事たちも賛成している」と言ってきたが、黒岩氏が後で確認すると千葉県の森田健作知事と埼玉県の大野元裕知事も同様に「他の知事は賛成している」などと説明されていた。黒岩氏は「こういうことをやられると信頼関係が薄れる」と小池氏に抗議したという。
小池氏はこれまで4知事で連携して行動することで、国に対しコロナ対策の主導権を握ってきた。政府関係者はこう語る。
「官邸は小池氏の動向を気にしている。今回の宣言延長も『7日に宣言を解除して感染が再拡大したら、都知事から批判される』と考えてのもの。コロナ対策が『対小池』で決まってしまっている」
だが、今回の件で知事間に溝ができれば、小池氏の影響力低下は必至だ。自民党東京都連の深谷隆司・最高顧問がこう語る。
「1月の緊急事態宣言の直前には、小池氏は3知事と連携して国に要請し、菅義偉首相が『後手に回った』というイメージをつくり出しました。しかし、今回はシナリオが崩れたようですね。知事たちも小池氏に利用されているとようやく気づいたのではないでしょうか」