AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:生きるエネルギーが湧いてこないことが悩みです。最近、さまざまなことをあきらめ始めています。「友達少ないけど、仕方がない」「理不尽だけどどうにもならない」。エネルギーが常に流れ出ていっている感覚です。求職活動もうまくいっていません。踏んばるためのエネルギーを生み出したいです。(女性/主婦/34歳/しし座)
A:人生の中で、意欲がどうしても湧いてこないときってありますよね。そして多くの人が今、同じ悩みを大なり小なり抱えているのではないかと感じます。この状況ですごくやる気に満ち溢れている人は少ないと思う。
こういうときにやらないほうがいいことがあります。それは「先を決める」こと。セリフにすると「~~をしなきゃ」とか「もっと頑張らなくちゃ」。「時間があるから英語の勉強しなきゃ」とかは、意欲が伴っていないとできません。意欲が湧いてこないときは、例えると心が隅っこで体育座りしてると思ってほしいんです。何を言っても心が閉じてしまっている、傷ついている状態です。
そういう自分自身に対してかけてあげてほしい言葉が「いろいろやってきたね、ありがとう」です。体育座りしている子にムチを打っても、絶対立ち上がりません。心が閉じている状態だから。「いろいろやってきたね」と声をかけても、初日は「いや、全然何もやってきてないです」って返されると思う。でも植物と一緒で毎日水をあげ続けると、だんだんほぐれてきて、「そういえばここ頑張ったな」とエピソードを思い出せるようになるはずです。
もう一つ、年齢の境目にいることが意欲の湧かない原因の場合があります。30代はまさにそうかもしれません。
年齢の境目では、頭が求める幸せと体の求める幸せにギャップが生じがちです。例えば体は薄味の煮物を欲しているのに、頭では「焼き肉を猛烈に食いまくる自分が幸せなはずだ」とひと昔前の幸せのイメージを強く持っている。何が幸せなのかわからない、「幸せの空白地帯」が年齢の境目で生まれてしまうんです。