竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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オンライン越しに「燃えていますか?」と呼びかけると、「燃えています!」と力強い返事が届きました
オンライン越しに「燃えていますか?」と呼びかけると、「燃えています!」と力強い返事が届きました

「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 ローソンは2025年で創業50周年を迎えます。50周年に向けてどのように過ごし、次の50年をどう築くべきかを考えるなかで昨年、新型コロナウイルスが世界を襲いました。お客様や社会の価値観は大きく変化しました。この1年、街(マチ)のインフラとしてどうあるべきかを何度も自分たちに問いかけ続けています。

 価値観をアップデートするためには、ローソンで働くみんなの声を聴くことが不可欠です。平時であれば、私自身が直接、「何か困っていることはありますか?」「この店は元気いっぱいだね」と会話することができました。その様子を社内ウェブサイトにアップすることで、全国の社員にも各地の様子が伝わります。

 ところが、緊急事態宣言下では社員と対面する機会が激減。双方向でのコミュニケーション不足を解消すべく、全社員とオンラインでつながるプロジェクトを始めました。支店や本社でのミーティングに私がリモートで参加し、全社員との対話を目指します。

「社長総括」などの形式的なプログラムはすべてなくして、改善すべきことや実現したいことを話せる場づくりを第一に考えました。コロナ禍でも対話を続けて、大きく攻め込むことが大切です。徳島での社内会議を終えた後に、オーナーさんが集まるエリア会にもリモートで参加しました。

 会議の最後には、私から「燃えていますか?」と熱く問いかけます。青春ドラマのような掛け声が画面越しに響くのか不安もありましたが、「燃えていますか?」と拳を挙げて聞くと、社員もオーナーさんも「燃えています!」と返してくれ、大きな熱量が伝わってきました。

 コロナ禍を後ろ向きにとらえず、これを機運にさらなるアップデートを目指します。みなさん、燃えていますか?

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長