待ちに待った緊急事態宣言解除と本格的な春の到来。陽気に誘われ、ちょっとお出かけしたくなる。しかし、いきなり繁華街や有名観光地に繰り出すのも気が引ける。コロナ対策を万全にして、なるべくのどかに旅気分を味わいたい。東京エリアを起点にした春の“プチ旅”考えてみました。
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まずはJR各社が春、夏、秋の3シーズンに販売する「青春18きっぷ」の活用だ。JR全線の普通・快速列車の普通車自由席が乗り放題となる、5枚1セット、1万2050円のお得な乗車券だ(2021年春季の販売は3月31日まで、利用は4月10日まで)。“青春18”と銘打たれているが、もちろん誰でも利用可能だ。新幹線など特急列車には乗車することはできないが、たまには鈍行列車でゴトゴトとゆっくり行くのも悪くない。
街ブラや気軽な旅にくわしいライターの柴崎朋実さんは、その活用法についてこう語る。
「おひとりで5日ぶん使うことはもちろんですが、分け合うこともできます。ご夫婦や仲の良いお友達と、のんびりとした1泊旅行で使えば、2人往復で4枚使えますね。山梨など東京から近いエリアに中央線で向かったり、たとえば湯沢など、新潟のほうまで足を延ばして温泉で1泊というのもいいですね」
柴崎さんは、観光列車との併用もおすすめだと言う。
「山梨県の小淵沢駅と長野県の小諸駅を結ぶ小海線を走る『HIGH RAIL 1375』という列車は、星空をコンセプトにした観光列車で、天井に星座が描かれたりします。途中の停車駅で長時間停車し、実際の星空を眺めることができる点も魅力的です」
JR東日本によると、青春18きっぷは、JR各線を利用してもらうためのお得な存在とのことで、近年も変わらず人気を集めているそうだ。
青春18きっぷ以外にも、さまざまなお得な列車旅のプランは存在する。春の気候をより実感できそうな、三浦半島や房総半島を目指してみるのはどうだろう。京浜急行電鉄が発売する「みさきまぐろきっぷ」は、同社の三浦・三崎エリアまでの電車とバスの乗車券と、対象となる飲食店や土産物や浴場などの施設の利用クーポンがセットとなったもの。