実際にゴールしてみると、建物の中でお花見は行われる。そのお花見もプロジェクションマッピングで写される桜。そこに、リーダーの城島茂さんが事前に作っておいたTOKIO「メンバー4人の影絵」でシルエットを映すのだが……。
城島リーダーの手に持っているのはどう見ても4人。だが、シルエットで写されたTOKIOは5人になっているのだ。
どういうこと?最初は見間違えかと思った。でも、そうではない。照明の仕掛けか?もともとああいう仕掛けを作っていたのか分からないが、おそらくスタッフが仕掛けたものなのだろう。
5人のTOKIOがシルエットで映って驚くメンバー。そして長瀬さんがそこでさらりと言うのだ。「いいじゃん。どうせ5人なんだから」
それを見て目頭が熱くなったし、なんてすてきな仕掛けをするスタッフなんだと。
長瀬さんが卒業し、3人となる。だが、「TOKIOは5人なんだ」というスタッフの気持ちを、そうやって伝える。
僕は「おしゃれ」という言葉が好きだ。おしゃれって、格好よく美しい。「おしゃれ」なものを作れる人を本当に尊敬する。
この演出は、おしゃれな極み。
愛と時間をかけないとこのアイデアは出てこないし、実行するのも大変だったはずだ。
そして。それで終わることなく、この後に続く企画でこの回は終わっていく。
番組を長く続けるのは大変だ。しかも、長く面白く続けることはもっと大変だ。
バラエティーにはドラマと違って決まった終わりがない。バラエティーが終わる時には視聴率が下がり「打ち切り」で終わることが多い。
そんな中で、これからも長い旅を続ける「鉄腕!DASH!!」
その旅が少しでも長く続くことを強く願っています。
そして、僕も。おしゃれなものをもっと作るように精進いたします。
■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中。主演:今田耕司×作・演出:鈴木おさむのタッグで送る舞台シリーズ第7弾『てれびのおばけ』が4月14日(水)~4月18日(日) 下北沢・本多劇場で上演。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。