放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は青山一丁目にある店「オストリカ@スタイロ(Ostrica@stylo)」をを取り上げる。
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1都3県に出ていた緊急事態宣言が3月21日、2カ月半ぶりに解除され、タレントたちの間では「少人数ならいいのかな?」「マスク会食ならOK?」といった会話が聞こえる。一般の方とは異なり、羽目を外しているように見えた場合、写真誌に撮られる危険性もあるのがタレントには悩みどころ。「とはいえ、なじみの店が時短営業の影響で潰れてしまうのは悲しすぎる」という声も多く聞かれる。
東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営地下鉄大江戸線「青山一丁目駅」4番南出口から徒歩0分。界隈の芸能プロダクションやレコード会社所属のタレントや近隣在住の有名人らに多くの顧客をもつ『オストリカ@スタイロ』も、そんな一軒だ。
旧店名の『焼ハマグリル』のほうにピンとくる人が多いかもしれない。お通し代わりに出てくる“わんこはまぐり”は有名で、『~@スタイロ』から徒歩3分のところにある系列店の『焼はまぐり青山八番too』での番付に名を連ねているのは俳優の佐野岳さんだ。
またキャスターの吉川美代子さんは『ウチくる!?』(フジテレビ系)出演時、行きつけの店として紹介。古巣のTBS局員にも常連が多く、某ベテラン女優や情報番組でもおなじみのドクターが家族で訪れる店でもある。
吉川さん出演の『ウチくる!?』でも“共演”し、現在、『~@スタイロ』の厨房を仕切っているのが松永創さんである。
イタリアンをベースに、自身の名前通り、創造力豊かに続々と酒に合うメニューを考案。というのも、とにかくヘビロテの常連客が多いので、飽きさせないよう、ピザやパスタにも日々工夫をこらしてくれている。現在人気のメニューは「みすじと牡蠣のポルチーニソース」「ハマグリとたけのこ・そら豆のパエリア」。
故郷・新潟の両親から送られてきた地元の珍しい食材によるスペシャルメニューが登場することもあれば、『~@スタイロ』にリニューアルしてから最大の売りになっている牡蠣の目利きにも優れている松永さんなのである。ランチメニューやテイクアウトも充実しているので、界隈のビジネスマン&ウーマンにも大人気。
カウンターで“おひとりさま”もできるし、オープンエアのテーブルも。一室だが個室もあり、タレント向き。もちろん感染対策は万全な、カジュアルだが名店なのである。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2021年4月9日号