2年前に会社を早期リタイアしてブログ「たぱぞうの米国株投資」を運営し、米国株投資の第一人者として多数の関連書籍も著したたぱぞうさんは言う。
「株式投資で資産を大きく増やすためには、S&P500に連動するETFを中心にナスダック100指数に連動するETFなどをトッピングしていくのが基本中の基本になります。さらに老後資金形成ではなく、できるだけ早くFIREを達成するためには、成長著しい米国のハイテク株など個別株にも投資する必要があるでしょう」
米国株の場合、配当金に関しては現地で10%課税されたうえに日本でも約20%課税される二重課税制度になっている。米国で課税された分を取り戻すには、確定申告する必要がある。
「その手間を考えると、日本の株式市場に上場する米国株上場投信(ETF)のほうが税制面でも面倒がありません。『iシェアーズS&P500』や『MAXIS米国株式(S&P500)』、最近上場した『MAXISナスダック100』といった国内のETFにつみたて投資していくのが米国株を投資対象にした初歩的な運用スタイルになります。私も『iシェアーズS&P500』を1.7億円分保有していますが、分配金だけで年間約180万円もらえます」
米国株主体の運用方針は、FIRE達成者のエルさんも同じ。米国市場に上場する米国株ETFに直接投資するなら、「バンガードS&P500ETF」とナスダック100指数に連動する「インベスコQQQトラスト」がオーソドックスな対象だと著書『【エル式】米国株投資で1億円』でも指摘している。
「最近は国内の投資信託でも三菱UFJ国際投信のeMAXISシリーズなど『信託報酬』と呼ばれる運用コストが極めて安い良心的な投資信託もたくさん出てくるようになりました。S&P500に連動する、そうした指数連動型投資信託を為替ヘッジなしで買うのもいいでしょう」(エルさん)
こうした低コストの指数連動型投信は、投資で得た利益(毎年40万円まで)に最長20年間は税金がかからない非課税投資制度「つみたてNISA」でも投資が可能だ。
まずは、つみたてNISAの非課税枠を限度枠いっぱい利用して、毎月の給料から天引き投資することがFIREに向けた資産形成の第一歩といえる。
エルさん、たぱぞうさんは株価の上昇力が強いものの株主配当はない成長株投資で資産を築き、FIRE達成後はその値上がり益を取り崩すことで生活費に充てている。