三重県伊賀市の男性の同性カップルが、3月に投稿された小林貴虎県議(47)のツイッターに、同性婚について「婚姻と同等の権利をよこせと言うことなら、同等の責任を果たさねば──」などと書かれてあるのを見て、同月14日に公開質問状を送った。すると県議は、同月30日に自身のブログで男性カップルの名前、住所、電話番号まで公開し、物議をかもした。県議は、公開から6日目の4月5日になって、ようやくブログから個人情報の部分を削除した。
男性カップルは、三重県伊賀市の嶋田全宏さん(45)と加納克典さん(41)。4年半前から、市のパートナーシップ制度を使って暮らしているという。2人に、これまでの県議との経緯と心境を聞いた。
──県議のブログからお2人の電話番号などの個人情報が削除されました。現在の心境は?
「正直、削除していただいたことでホッとしています」(嶋田さん)
「すでにツイッターなどで拡散されてしまった。日本中に広がっている状況です。これからも、拡散は続くかもしれない」(加納さん)
──個人情報が公開された後、小林県議に会いに行かれたそうですね。
「僕らが送った公開質問状の封筒の裏の差出人に、2人の名前と住所を書いていました。県議がその封筒の画像をご自分のブログに3月30日にアップされました。それで、翌日の31日、信頼している無所属の県議と3人で小林県議に面会しに行きました」(嶋田さん)
──面会した時の会話の一問一答が、県議のブログに載っていました。
「小林県議は面会した時の会話を録音していたらしく、文字起こしされ、やり取りが県議のブログにアップされました。今もまだ、そのまんま掲載されています。今後、抗議しても、それがまたブログで公開されてしまうかもしれないし、ちょっと怖すぎる」(嶋田さん)
──嶋田さんと加納さんは4月1日、自身の SNSから公開質問状を削除しましたが、先に削除したのは何故ですか。
「小林県議と面会した時、『公開質問状を取り下げたら、こちらも削除する』と言われました。この論理は、僕らもおかしいと思うのですが、ずっと県議とやり合っていてもいつまでも終わらない。2人で相談し、県議の言うことに寄り添っていこうと思って、自分たちのツイッターとフェイスブックに載せてあった公開質問状を削除しました」(嶋田さん)