なんでも本音で話せて気づきを得られ、考え方の方向性や温度感が同じとわかって安らぐ、というパターン。結婚してよかったと思う瞬間です。

妻:相澤沙織[33]
メーカー勤務 法務担当

あいざわ・さおり◆1988年、東京都出身。桐蔭横浜大学法科大学院修了。税理士事務所などで働きながら司法試験受験後、2018年秋から現職。海外法令調査、契約書審査、コンプライアンスなどの社内法務相談ほか様々な業務に従事

 実は、名前を変えたくないと言い出しにくかったんです。親に相澤姓を残すように言われたわけでもなく、単に面倒臭い、という理由だけですから。その面倒臭いことを買って出てくれた夫には、本当にありがとう!です。

 彼の思考はとても柔軟で、世間一般の基準を熟知した上で、自分たちに合うものだけを取り入れます。人によっては、婿入りしたわけでもないのに男性が姓を変えるのはおかしいと思うでしょうが、彼は別にどう見られても構わない、という感じ。そのしなやかさは、どんな問題に直面しても一緒に乗り越えていけると思うポイントです。

 夫=日常をうまく回す協力者を得たことで、ワークライフバランスを考えるようになりました。独身時代は仕事中心でしたが、ライフに主軸を置くように意識しています。

 日常がしっかりすれば、人生の土台がしっかりする。そうすれば、何かで苦境に立たされても大きく傾くことはない。夫のおかげで、その自信を手に入れられました。(構成・茅島奈緒深)

AERA 2021年4月19日号