古い話ですが俳優の高倉健さんが「不器用ですから……」と小声で語るCMがありました。言葉数が少なくとも情熱を感じたものです。

 先のCさんのような“気合系情熱”を求める人は意外に多いものです。そんなとき、あくまで自分のペースで仕事に対する想いを語るのは、一つの方法です。それで十分に伝わる可能性が高いでしょう。

 もし伝わらないようであれば、勘違い上司。スルーしてかまいません。その要求にどう応えようかと悶々と悩み、モチベーションを下げるのはあまりにもったいない相手です。

 なぜなら時代遅れのマネジメントなので、やがて消えていく存在だからです。ただ、相手が上司であるなどしてあまりに負担になる状況が続けば、上司を飛び越えてマネジメントに対する不満を人事や役員に伝えるのもいいでしょう。

 もはや、“気合系”の要求をすることはパワハラとされる可能性もあるからです。

西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。

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